2026/10/30 10:00
鞍の下から少しだけ見えるふわふわの縁。あるいは薄くてすっきりした黒いパッド。
乗馬クラブでも見かけるハーフパッドですが
「ゼッケンがあるのに何のために重ねているんだろう?」と思ったことはありませんか。
馬の背中によさそうだから。クッションが厚くて安心できそうだから。
そんな印象から気になる方もいるかもしれませんね。
ハーフパッドを選ぶときは素材や厚さに加えて、使う鞍との組み合わせにも目を向けたいところです。
今回はハーフパッドの役割をひもときながら、Kentucky・BR・HORSEGEARの3商品をご紹介します。
🔍 ハーフパッドとは?ゼッケンと何が違うのでしょう
ハーフパッドは主に鞍の下の限られた範囲を覆うパッドです。
衝撃を和らげたり圧力の分布を整えたりする目的で使われます。
製品によっては鞍のフィットを補助する役割もあります。
一方で一般的なゼッケンには、汗や汚れから鞍を守る役割があります。
素材や構造によって吸湿性やクッション性も異なるため
「ゼッケンにはクッション性がない」というわけではありません。
同じように鞍の下へ敷くものでも、何を目的に作られているかが少し違うのですね。
また「ハーフ」はクッション性が半分という意味ではありません。
一般的な四角いゼッケンより覆う範囲が小さい形を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
ゼッケンの上に重ねる製品もあれば、馬体に直接接する使い方を想定したものもあります。
敷く順番は見た目で判断せずに製品ごとの案内を確認したいですね。
💡 「衝撃を吸収する」と「圧力を分散する」は少し違います
商品説明でよく見かけるこの2つ。似ていますが、注目していることが違います。
衝撃吸収は動きの中で伝わる力のピークを和らげること。
圧力分散は一部分に負担が集中しにくいように力のかかり方を整えることです。
たとえば同じ重さの荷物でも、細い持ち手より幅のある持ち手の方が手に食い込みにくいことがありますよね。
圧力の分散を考えるときはこの感覚が参考になります。
ただしパッドを敷いても、人と鞍の重さそのものがなくなるわけではありません。
馬の背中にどう伝わるかを調整する用品と考えると役割がつかみやすくなりそうです。
🧪 研究ではどうでしょう?5種類のパッドでも結果は同じではありません
2022年に発表された研究では、8頭の馬に適合した馬場鞍を使って5種類のパッドを比較しています。
薄いゼッケンだけの場合と比べると、4種類のパッドで運動中の平均圧力が有意に低下しました。
一方で残る1種類では同じ低下が認められませんでした。
つまりパッドを使う利点が確認された一方で、どれを敷いても同じ結果になるわけではなかったのです。
ここで気をつけたいのは「この素材ならどの商品も同じ」と広げすぎないこと。
同じ素材の分類でも製品の構造は異なります。馬と鞍の組み合わせによっても結果は変わり得ます。
なお、この研究は今回紹介する3商品を比較したものではありません。
それぞれの商品の効果を証明する資料とは分けて読む必要があります。
「パッドは必要?不要?」の二択よりも「どんな組み合わせで何を補いたいのか」
と考える方が選びやすくなりそうですね。
📏 厚いほど安心?鞍の下に増える厚みにも注目してみましょう
柔らかいパッドを触ると、厚い方が馬にも気持ちよさそうに感じるかもしれません。
けれどもパッドは鞍と馬の間に入ります。厚みを足せば、その分だけ鞍の収まり方にも影響します。
すでにきつい靴へ厚い靴下を重ねる場面を想像してみてください。
靴下が柔らかくても足元が快適になるとは限りませんよね。
鞍でも同じように、幅が狭く圧迫しているところへパッドを追加すると状態を悪化させることがあります。
一方で適切なパッドがフィットの補助になる場合もあります。
だからこそ「薄いものが正解」と決める必要もありません。
大切なのは今の鞍に何を足したいのか。クッション性なのか。
接触面の工夫なのか。それともフィットの調整なのか。
目的が見えてくると、素材や厚さの違いにも意味が出てきます。
🖤 Sattelpad Impact Equalizer Kentucky Black

KentuckyのImpact Equalizerは、
メモリーフォームと立体的な3Dスペーサー素材を組み合わせたハーフパッドです。
フォームによるクッション性に加えて、空気を通す立体構造にも配慮されています。
厚さは10mmと18mmの2種類です。
この商品の選び方で注目したいのは、同じシリーズに厚さの選択肢があること。
「18mmの方が上位」「10mmでは保護が足りない」という関係ではありません。
Kentuckyも適合した鞍へ使う選択肢として10mmの薄型を案内しています。
鞍の下に加える厚さを抑えたいのか。もう少し厚みを必要としているのか。
今使っている装備と照らし合わせて選びたい商品です。
👉 Sattelpad Impact Equalizer Kentucky Blackの詳しい情報はこちら
🌬️ Half Pad BR Pressulizer Black

BRのこちらのハーフパッドは、立体的に織られたポリエステル繊維を使っています。
メーカーは圧力の分散と衝撃吸収に加えて、通気性にも配慮した構造として紹介しています。
裏地はポリエステルのニット素材です。
ゼッケンと鞍の間に敷いて使用することが公式に案内されています。
こちらで面白いのは「ポリエステル製」という表示だけでは構造まで分からないことです。
同じポリエステルでも、平らな布と立体的な繊維構造では作りが違います。
素材名に加えて「どんな形に加工されているのか」を見ると商品説明が読みやすくなりますね。
ふわふわした毛足のあるタイプ以外も比べたい方に、見ていただきたい選択肢です。
👉 Half Pad BR Pressulizer Blackの詳しい情報はこちら
🤍 Saddle Pad HORSEGEAR Mesh Faux Fur Natural

HORSEGEARのこちらは、上面のメッシュ素材と内側のフェイクファーを組み合わせたハーフパッドです。
き甲側と後ろ側の縁にもフェイクファーを配置しています。
素材はポリエステル100%。鞍へ固定する面ファスナー付きのループも備えています。
販売元は衝撃吸収や圧力分散を目的とした商品として案内しています。
柔らかな縁の見た目に惹かれる方もいそうですね。
選ぶ際には外から見える縁だけでなく、鞍の下に収まる部分や裏面の作りにも注目してみませんか。
またフェイクファーと天然の羊毛は別の素材です。
天然の羊毛を使った研究結果をそのままフェイクファーの性能として説明することはできません。
「ファー付きだから同じ」ではなく、素材と構造まで見て選ぶ。そんな視点を持つきっかけにもなる商品です。
👉 Saddle Pad HORSEGEAR Mesh Faux Fur Naturalの詳しい情報はこちら
🐎 サイズは馬の大きさだけで決めなくてもよさそうです
ハーフパッドにはPonyやFullなどのサイズ表記があります。
ただし実際に覆いたいのは鞍の下の荷重がかかる部分です。
馬のサイズに加えて、使う鞍の大きさやパッドの実寸も確認しておきたいですね。
見るポイントは次の3つです。
鞍の下で荷重を受ける部分を十分に覆えているか
縁や縫い目が鞍の下で段差になっていないか
き甲や背中の中央を押さえつける収まりになっていないか
敷いたときにしわがなくても、腹帯を締めたり騎乗したりすると位置が変わる場合があります。
乗る前の形だけでなく使用後のずれ方にも目を向けてみましょう。
会有馬に自分のパッドを使う方も、普段の組み合わせを基準にすると考えやすくなります。
「いつものパッドを置き換えるのか」「追加で重ねるのか」でも厚みは変わりますよね。
フィットの調整を目的にする場合は、
鞍の適合を評価できる方と組み合わせを確認すると選ぶ理由が明確になります。
🛍️ 通販でハーフパッドを選ぶなら「何に使うか」を先に
乗馬用品を通販で探すときは、写真で分かる形や色に目が向きやすいものです。
ハーフパッドなら厚さや裏面の素材も見てみましょう。
さらに使う鞍との組み合わせまで考えると、候補を絞りやすくなります。
衝撃への配慮をしたい。毛足のある接触面を選びたい。今の装備に加える厚さを抑えたい。
そんな目的を一つ持って商品を見るだけでも、見た目が似ていたパッドの違いが見えてくるかもしれません。
次に鞍の下からのぞくパッドを見たときは「何が入っているんだろう?」と気になりそうですね。
📚 参考資料
・Dittmannほか(2022)|適合した馬場鞍の下で5種類のパッドを比較した研究
・USDF|Hilary Clayton獣医師による「The Science of Saddle Pads」
