2026/10/28 10:00
乗馬で使う鐙(あぶみ)は、鞍から下げた鐙革に取り付けて足を置く道具です。
毎回のレッスンで使っていますが、選ぶときにはどこを見ていますか?
踏み板の広さや滑りにくさ。重さや色。
最近では側面が開くものや、足の動きに合わせて動くものもありますよね。
似て見える構造でも、その役割は少しずつ違います。
今回は安全鐙が必要とされる理由から、鐙の仕組みと選び方を考えてみませんか。
店主自身が使用しているSamshield Shield’Rupをはじめ、特徴の異なる鐙と関連用品をご紹介します。
🐴 安全鐙とは?なぜ必要とされているのでしょうか
鐙は足を置いて騎乗を支えてくれる道具ですが、落馬したときには足が残ってしまうことがあります。
足が奥まで入り込んでいたり、ブーツの幅や靴底が鐙に引っ掛かったりする場合です。
足が抜けないまま馬が動くと、落ちた人が引きずられる危険があります。
落馬した後に馬から離れられないことが、さらに大きな事故につながるおそれがあるのですね。
この危険を減らすために工夫されてきたのが、安全鐙です。
普段は足を支えながら、落馬時には足が逃げられるようにする。
その両立を目指して、側面が開いたり一部が外れたりする仕組みが取り入れられています。
落馬そのものを防ぐ道具というより、
落ちてしまったときに足が残るリスクへ備える道具と考えると役割が分かりやすいでしょうか。
🛡️ Samshield Shield’Rup

最初にご紹介するのは、側面が開く安全機構を備えたSamshieldのShield’Rupです。
現在LAURO Tackでは取り扱っていませんが、店主自身が実際に使用している鐙でもあります。
メーカーは、側面のアームが180度開く構造を案内しています。開いた後は元の位置へ戻る仕組みです。
落馬時に側面が開くことで、足が逃げるための空間を作ることを考えたモデルなのですね。
実際に使用していて感じるのは、踏み板の大きさです。足を置く部分が広く、
その広さに安心感があります。安全機構だけでなく、
普段乗っているときに足を置く場所が大きいという感触も特徴としてお伝えしたいところです。
この安心感は使用した感想で、落馬時の安全性を実証したものとは分けて考えています。
また、メーカーは傾斜のある踏み板とその下に設けたエラストマー部品も紹介しています。
エラストマーは弾力のある素材で、騎乗中の衝撃や振動への配慮に使われています。
「乗っている間の使い心地」と「足を逃がすための構造」を、一つの商品で見ていける例ではないでしょうか。
Shield’Rupが気になる方は、記事末尾のラウロ・コンシェルジュからお問い合わせください。
🔎 可動式の鐙と、側面が開く鐙は何が違う?
Shield’Rupの構造を知ると、ほかの動く鐙も同じように開くのか気になりますよね。
ここで分けて見たいのが、騎乗中の動きに対応する仕組みと足を逃がすための仕組みです。
踏み板や側面が動いて、足の動きに沿うものがあります。
こちらは乗っている間の使い心地に関わる工夫です。
一方、外側の部品が開いて足の逃げ道を作るものもあります。
両方を考慮した商品もあるため、可動式と安全鐙を完全に別の種類として分けられるわけではありません。
ただ、柔らかく動くという特徴だけで開放機構まで備えているとは判断できないのですね。
商品を見るときは「どこが動くか」に加えて、「何のために動くか」も確かめてみませんか。
🔄 Stirrups HB Flex

続いては、側面に柔軟性を持たせたHBのFlexです。
ステンレス製のフレームと柔軟なゴム製の側面を組み合わせています。
販売元は、足の動きに対応する構造と幅広の踏み板を特徴として紹介しています。左右1組の商品です。
こちらは、固定された形の鐙とは違う足元の感触を検討したい方が見比べやすいモデルです。
ただし、使っただけで踵が下がったり脚の位置が整ったりするとまでは考えない方がよいでしょう。
鐙の動きが自分に合うかも見て選びたいですね。
また、この商品の販売説明では外側が開く脱出機構は案内されていません。
「Flex」という名前から安全機構を想像するより、
側面の柔軟性を取り入れた構造として見ると違いが分かりやすそうです。
⚪ Stirrups Sprenger Stainless Steel Silver-Black

3つ目は、Sprengerのステンレス製鐙です。
シルバーの本体にブラックの踏み板を組み合わせた、クラシックな外観のモデルです。
販売元では丈夫さとグリップを特徴として案内しており、掲載サイズは12cmです。
こうしたシンプルな鐙は、ほかの構造を見比べるときの基準にもなります。
足を置く部分の広さはどうか。ブーツがどう収まるか。踏み板の感触はどう違うか。
普段使っている鐙を思い浮かべると、自分がどの部分を変えたいのかも考えやすくなりそうです。
ここでも、ブランド名だけで機能を判断しないことが大切です。
Sprengerには可動式など別のモデルもありますが、同じメーカーの鐙がすべて同じ構造ではありません。
こちらは、ステンレス製のシンプルな鐙を探している方に見ていただきたい1点です。
👉 Stirrups Sprenger Stainless Steel Silver-Blackの詳しい情報はこちら
🔵 Safety Stirrups Toestoppers Epplejeck Blue

4つ目は、鐙に取り付けて使うトーストッパーです。
軽量なプラスチック製で、つま先側に覆いを設けるための部品です。
回転ノブ付きのねじで取り付ける仕様として案内されています。左右1組の商品です。
こちらの考え方は、足が鐙の奥へ入り込みすぎるのを抑えることです。
側面を開いて足を逃がす方式とは違い、足が前へ通り抜ける動きに対して覆いを設けます。
同じ安全性への配慮でも、対応しようとしている場面が違うのですね。
取り付け型なので、手持ちの鐙との適合を確認して選びたい商品です。
一般的な鐙に対応すると案内されていますが、すべての鐙やブーツに合うという意味ではありません。
つま先の収まりや取り付け後の状態も含めて見てみてください。
覆いがあるからといって、足を奥まで入れて使うためのものではない点も覚えておきたいですね。
👉 Safety Stirrups Toestoppers Epplejeck Blueの詳しい情報はこちら
👢 鐙のサイズは、実際に履くブーツと合わせて
鐙を探すと、11cmや12cmといった幅の表示を見かけます。
ここで合わせたいのは、実際に乗るときのブーツです。
同じ靴のサイズでも、外側の幅や靴底の形は違います。
普段のブーツから冬用の厚みのあるものへ替えたときには、鐙との組み合わせも見直したいところです。
英国馬術協会BHSも、使用するブーツに鐙の大きさを合わせるよう案内しています。
深い溝のある靴底は鐙に引っ掛かる場合があるとして、履物の選び方にも注意を促しています。
踏み板の広さと、ブーツが入る内側の幅も分けて見たいですね。
足裏を支える部分が大きくても、それだけでブーツとの適合が決まるわけではありません。
「踏みやすそうだから」という理由で選ぶときにも、足が収まる空間を一緒に確認しておくとよさそうです。
💡 「滑りにくい」と「足が抜けやすい」も別のポイント
鐙の商品説明では「グリップがよい」という言葉もよく見かけます。
騎乗中に足を置くためのグリップと、落馬時に足が残りにくい構造。
それぞれ別の項目として確認すると選びやすくなりそうです。
踏み板の滑りにくさだけを見て、脱出機構まで備わっているとは判断できません。
反対に、開放機構があってもブーツとの適合や正しい取り付けの確認は必要です。
踏み板に泥が詰まっていないか。可動部や取り付けねじに異常はないか。鐙革に傷みがないか。
新しい機能を探すことと一緒に、今使っている道具の状態も見てみませんか。
どの方式でも、あらゆる状況で必ず足が外れるという保証ではありません。
メーカーが示す取り付け方や使用条件に沿って使いたいですね。
🛍️ 乗馬用品を通販で選ぶなら、鐙の「役割」も見比べて
乗馬用品を通販で選ぶとき、鐙は見た目や価格だけでは違いが分かりにくい道具かもしれません。
足を置いたときの感触を変えたいのか。動きに対応する構造を選びたいのか。
それとも落馬時に足が残るリスクへ備えたいのか。
まず目的を考えると、商品説明で確かめたいところも見えてきそうです。
普段の使い心地と安全機構を分けて見比べながら、実際に履くブーツに合うものを探してみてください。
次のレッスンでいつもの鐙を見たときにも、
「どこが動くのか」「どう足を支えているのか」と少し違った目で見られるかもしれませんね。
👉 鐙の一覧はこちら
💬 掲載していない商品も、ラウロ・コンシェルジュへ
今回ご紹介したSamshield Shield’Rupは、現在ショップでは取り扱っていません。
ご希望の方には、取り寄せの可否や価格・納期を確認してご案内します。
ラウロ・コンシェルジュは、ショップに掲載していない乗馬用品についてもご相談いただける窓口です。
「SNSで見かけたこの商品が欲しい」
「探している色やサイズが見つからない」
そんなときにもお問い合わせください。
商品名や写真、掲載ページのURLを添えていただけると確認しやすくなります。
Shield’Rupに限らず、気になる乗馬用品があればお気軽にご相談ください。
📚 参考資料
※参考資料はいずれも英語です。
