2026/10/21 10:00


馬の耳をすっぽり覆うイヤーネット。


ゼッケンと色をそろえた姿を見ると、おしゃれのための馬具だと思う方もいるかもしれませんね。


もちろん、馬装のアクセントになるのも魅力です。


でも、イヤーネットには耳を虫から覆う役割があり、


なかには周囲の音を和らげるために作られたものもあります。


ここで知っておきたいのが「耳を覆っている=遮音タイプ」ではないことです。


見た目は似ていても、耳部分の素材や作りによって選ぶ目的が変わります。


今回はイヤーネットの意味と効果をひもときながら、QHPとKentuckyの3商品をご紹介します。


まずは、耳の周りを虫から守るために


イヤーネットは、頭絡と一緒に装着して馬の耳や額周辺を覆う用品です。


英語の商品名では「Ear net」や「Fly veil」などの表記が使われています。「Fly」はハエのこと。


耳を布で覆い、騎乗中に虫が耳へ直接触れるのを減らすために使われます。


Kentuckyも、イヤーネットの役割として騎乗中の耳の虫よけを案内しています。


虫を寄せつけなくする薬剤とは異なり、布で覆うことで接触を減らす道具と考えると分かりやすいですね。


ただし、顔全体や身体まで覆うものではありません。


イヤーネットを付ければ虫への対策がすべて済む、というわけではないので、


使う場所と気になる範囲を合わせて考えたいところです。


👂 遮音タイプは、どこが違うのでしょうか?


額の編み地や縁飾りより、まず注目したいのが耳部分です。


通常タイプには、伸縮性のある生地などで耳を覆うものがあります。


一方、遮音タイプは耳部分にネオプレンや複数の層を組み合わせた素材などを使い、


音を和らげることを目的に作られています。


そのため、耳が隠れる形をしているだけでは遮音性能まで判断できません。


商品名の「Soundless」や、商品説明の遮音仕様を確認してみてください。


また「Soundless」という名前でも、周囲の音が完全に聞こえなくなると考えない方がよさそうです。


どの音にどう反応するかまで、すべて同じになるわけではありません。


🔎 音への反応は、研究でも調べられています


2023年に発表された研究では、18頭の馬に5種類の音を聞かせ、


遮音用イヤーネットの有無による行動と心拍数の違いを調べています。


全体では装着による反応の低下が示されましたが、違いは音によって異なりました。


例えば、いななきへの反応では有意な違いが見られず、


音別の心拍数で有意差が確認されたのは飼料に関する音だけでした。


つまり「遮音タイプを付ければ、どんな音にも驚かなくなる」とまではいえません。


この研究は試験用の馬房で行われ、今回ご紹介する商品を使った比較でもありません。


実際の騎乗中や競技会での効果を、そのまま保証するものではない点も押さえておきたいですね。


興味深いのは、行動と心拍数の変化が必ずしも一致しなかったことです。


外から見える反応が小さくなったからといって、それだけで馬が安心したと判断できるわけではありません。


使った後は「おとなしくなったか」だけでなく、普段と比べた馬の様子も見ながら取り入れたいですね。


ここからは、通常タイプ2点と遮音タイプ1点を見ていきましょう。


🌸 Oornetje QHP Isalyn Pink



QHPの2026/27年秋冬コレクション「Isalyn」のイヤーネットです。


ポリエステル100%で、飾りコードとコントラストのある縁取り、QHPのバッジを組み合わせたデザインです。


30℃で洗濯機洗いができ、乾燥機は使用できません。


ピンクを馬装に取り入れたい方に、見ていただきたい一枚です。


ゼッケンだけでなく顔周りにも色が入ると、馬装全体の印象が変わりますね。


同じIsalynシリーズでそろえるほか、手持ちの馬具にピンクを一点加える楽しみ方もできます。


こちらはメーカー公式の商品説明で遮音仕様が案内されている商品ではありません。


音への対策を目的に選ぶ場合は、見た目よりも遮音機能の明記があるかを確認したいところです。


「耳を覆うための用品として使いたい。色やデザインも楽しみたい」という方の候補にしやすい商品ですね。


👉 Oornetje QHP Isalyn Pinkの詳しい情報はこちら


🍷 Fly Veil QHP Florence Dark Red



かぎ針編みの本体に、伸縮性のある耳部分を組み合わせたQHPのイヤーネットです。


本体はポリエステル65%・綿35%。


耳部分にはポリエステル85%・エラスタン(伸縮素材)15%を使用し、


左耳にはQHPのロゴ入りループが付いています。


こちらで注目したいのは、耳部分の伸縮性です。


イヤーネットは額の飾りが目に入りやすい馬具ですが、耳に触れる生地も選ぶポイントになります。


耳の長さや太さに合い、無理に引っ張らず収まるかを確認したいですね。


Dark Redは、先ほどのピンクより深みのある赤系の色。


落ち着いた色のゼッケンへアクセントとして合わせたり、


赤系の馬具で統一したりと、好みに合わせて選べます。


Florenceも、メーカー公式では遮音タイプとして案内されていません。


伸縮性のある耳布は着用感に配慮した仕様ですが、それを遮音機能と読み替えないことが大切です。


洗濯は30℃で可能。メーカーは洗濯ネットを使い、柔軟剤はできるだけ避け、


乾燥機を使用しないよう案内しています。


👉 Fly Veil QHP Florence Dark Redの詳しい情報はこちら


🔵 Fly Veil Kentucky Wellington Soundless Dark Blue



KentuckyのWellingtonシリーズから、遮音仕様のイヤーネットです。


耳部分にネオプレンを使用し、周囲の音を和らげることを目的にしています。


手編みの本体に、頭絡の下へ収まりやすい長めの後方部分を組み合わせた構造です。


ここまでの2商品との大きな違いは、耳を覆うだけでなく、


音への配慮を目的とした仕様が明記されていることです。


普段の馬場と競技会場では、周囲の音も変わりますね。


放送や拍手などが気になる馬に、遮音タイプを検討する場面もあるでしょう。


ただし、音に対する反応には違いがあります。


先ほどの研究も、すべての音で同じ変化が起きるとは示していません。


装着すれば集中できると決めつけず、その馬に合うかを見ていきたいですね。


Dark Blueは、手持ちのネイビー系のゼッケンとも合わせやすい落ち着いた色です。


色を選ぶ楽しみに加えて、今回は音への配慮が必要かどうかも選択の軸になります。


会友馬に使う場合は、普段の音への反応や使用経験を知っているスタッフへ


相談してから取り入れてみてください。


👉 Fly Veil Kentucky Wellington Soundless Dark Blueの詳しい情報はこちら


🐴 選ぶときは、色と一緒に「使う理由」も


イヤーネットを選ぶときは、まず虫よけや馬装のアクセントとして使いたいのか、


音への配慮も考えたいのかを整理すると選びやすくなります。


そのうえで、耳部分の大きさと素材、頭絡と重ねたときの収まりを確認したいですね。


見た目が気に入っても、耳を押したり生地が引っ張られたりしていないかは別に見ておきましょう。


初めて使う際は、時間に余裕のある日にスタッフと一緒に装着してみると、馬の反応も確認しやすくなります。


乗馬用品の通販では、色や装飾と並んで耳部分の仕様にも目を向けてみてください。


「同じように見えるのに価格が違う」というときも、作りの違いを知る手がかりになります。


LAURO Tackでは、イヤーネット全体の一覧に加えて、遮音タイプをまとめたカテゴリもご用意しています。


色やデザインから探したい方も、音への配慮を目的に探したい方も、使い方に合わせて見比べてみてください。


👉 イヤーネットの商品一覧はこちら


👉 遮音タイプのイヤーネットの商品一覧はこちら


📚 参考資料


・2023年の研究論文|遮音用イヤーネットの有無による馬の行動・心拍反応の比較