2026/10/03 10:00


LAURO Tackのブログで、ハミを本格的に取り上げるのは今回が初めてです。


なぜ今まで書いてこなかったのか。理由はとても単純です。


ハミは、とにかくややこしい。


リングの形が違う。口に入る部分の素材も違う。


シングルジョイントやダブルジョイントといった構造の違いもあります。


さらに同じハミでも、馬によって反応が変わります。


「柔らかい素材なら優しい?」


「ダブルジョイントなら刺激が弱い?」


「フルチークは強いハミ?」


調べ始めるほど疑問が増えて、いつの間にか迷宮へ入り込んでしまいます。


そこで今回は、QHPのフルチークハミ3種類を比較します。


すべてを一度に理解する必要はありません。まずは形、素材、ジョイントの3点に分けて見てみましょう。


🧭 そもそもフルチークハミとは?


フルチークハミには、リングの上下に長い枝があります。


この枝が馬の頬側に触れることで、横方向の合図を伝える助けになります。


ハミが口の中を左右に動きにくく、反対側へ抜けにくいことも特徴です。


そのため方向を伝える補助が欲しい馬や、


口の中でハミが大きく動くことを好まない馬に選ばれることがあります。


ここで覚えておきたいことがあります。


フルチークだから強いハミとは限りません。


ハミの感触はマウスピースの形や素材で変わります。サイズや装着位置も重要です。


さらに騎手の手の使い方でも変化します。


横に長い枝だけを見て「強そう」と決めることはできないのです。


🔵 Sweet Ironはなぜ色が変わる?


今回紹介する3商品のうち、2商品にはSweet Ironが使われています。


Sweet Ironは使用するうちに酸化が進みます。最初の青みを帯びた表面が、


茶色や灰色へ変わっていく素材です。


見た目が変わるため「錆びてしまった?」と驚くかもしれません。


しかし、この変色は素材に想定された変化です。


Sweet Ironは独特の風味によって唾液の分泌を促し、


馬がハミを受け入れるきっかけをつくる素材として使われています。


ただし、すべての馬が同じ反応をするわけではありません。


Sweet Ironだから必ずハミを受け入れるとは限らないのです。馬の好みや口の状態も見ながら判断しましょう。


① Full Cheek Snaffle Bit QHP Sweet Iron Double Jointed



最初はダブルジョイントタイプです。


マウスピースに2か所の継ぎ目があり、中央に短いパーツが入っています。口の中で形が変化しやすい構造です。


「ダブルジョイントは優しい」と聞いたことがあるかもしれません。


ただし、ダブルジョイントなら必ず刺激が弱くなるわけではありません。


中央部分の長さや向きによって、舌や下顎へ伝わる圧力は変わります。


この商品はフルチークによる安定感と、ダブルジョイントの動きを組み合わせたタイプです。


ハミを口の中で安定させたい。直進や方向転換の合図を整理したい。そんなときの候補にしやすいでしょう。


Sweet Ironの風味に反応し、ハミへ意識を向ける馬もいます。


👉 Full Cheek Snaffle Bit QHP Sweet Iron Double Jointedの詳しい情報はこちら


② Full Cheek Snaffle QHP Sweet Iron



次はシングルジョイントタイプです。


中央に1か所の継ぎ目があるシンプルな構造です。


左右の手綱から加わる力に合わせて、マウスピースが折れるように動きます。


シングルジョイントはダブルジョイントより強い。そう説明されることもあります。


実際には馬の口の広さや舌の厚み、上顎までの空間によって当たり方が変わります。


形だけで強さを決めることはできません。


構造がシンプルだからこそ、馬がどのように反応するかを確認しやすい点は魅力です。


現在シングルジョイントを問題なく使えている場合や、


複雑な形よりシンプルなハミを好む馬なら比較候補になるでしょう。


こちらもSweet Ironを採用しています。使用による色の変化は、素材の性質として理解しておきましょう。


👉 Full Cheek Snaffle QHP Sweet Ironの詳しい情報はこちら


③ Full Cheek Snaffle QHP Flexi Single Jointed



3つ目は、Flexi素材とシングルジョイントを組み合わせたタイプです。


金属とは異なる、柔らかい合成素材のマウスピースが採用されています。


中央に1か所の継ぎ目があり、手綱の動きに合わせてマウスピースが折れる構造です。


金属の冷たさや硬い感触が気になる馬にとって、比較候補になるハミです。


ここでも注意したいことがあります。


柔らかい素材だから、すべての馬に優しいとは限りません。


厚みや幅が馬の口に合っていなければ、舌のための空間が狭くなることがあります。


噛み癖のある馬では、表面の傷や劣化もこまめに確認する必要があります。


現在シングルジョイントを使っていて、基本的な構造を大きく変えずに素材を見直したい。


金属とは違う感触を試してみたい。


そんなときに検討しやすいタイプです。


👉 Full Cheek Snaffle QHP Flexi Single Jointedの詳しい情報はこちら


🔍 3種類の違いを整理してみましょう


今回紹介した3種類は、すべてフルチークです。


違うのは、口に入るマウスピースの素材と構造です。


Full Cheek Snaffle Bit QHP Sweet Iron Double Jointedは、


Sweet Ironとダブルジョイントを組み合わせています。


2か所の継ぎ目があり、口の中で形が変化しやすいタイプです。


Full Cheek Snaffle QHP Sweet Ironは、同じSweet Ironを使ったシングルジョイントです。


中央に1か所だけ継ぎ目がある、シンプルな構造になっています。


Full Cheek Snaffle QHP Flexi Single Jointedもシングルジョイントです。


大きな違いは素材にあります。金属製のSweet Ironではなく、柔らかい合成素材が使われています。


つまり、ジョイントの違いを比べたいならSweet Ironの2種類。


シングルジョイントのまま素材を変えたいなら、Sweet IronとFlexiを比べると分かりやすくなります。


ただし、この違いだけで最適なハミを決めることはできません。


大切なのは「どれが一番優しいか」ではなく「その馬の口と反応に合っているか」です。


📏 ハミのサイズは馬種だけで決めない


「大きな馬だから大きいサイズ」


「ポニーだから小さいサイズ」


この選び方だけでは十分ではありません。


同じ馬種や体格でも、口幅や舌の厚みは異なります。口の中の高さにも個体差があります。


まずは現在使っているハミの幅を確認してみましょう。


口角を挟んでいないか。左右へ大きく滑っていないか。舌を強く圧迫していないかも見てください。


口を開ける。舌を出す。頭を振る。ハミを激しく噛む。左右で曲がり方が違う。


こうした反応がある場合、ハミだけが原因とは限りません。


歯や口腔内の状態、頭絡の調整、鼻革、騎手の手も一緒に確認する必要があります。


判断に迷ったときは、指導者やハミの知識がある専門家へ相談する方法もあります。


💡 「一番優しいハミ」は簡単に決められない


ハミ選びで最も難しいのは「優しい」という言葉です。


柔らかい素材でも、サイズが合わなければ負担になります。


ダブルジョイントでも、中央部分の形が合わない馬はいます。


シンプルなシングルジョイントで、落ち着いてコンタクトを取れる馬もいます。


つまりハミの優しさは、商品だけで決まるものではありません。


馬の口に合っていること。正しく装着されていること。騎手が必要以上に強く使わないこと。


この3つがそろって、初めて馬にとって使いやすいハミになります。


🐴 ハミ選びの迷宮も、一つずつ見れば整理できる


今回覚えておきたいのは3つです。


フルチークは横方向の合図と安定感を助ける形です。


Sweet Ironの変色は、素材に想定された変化です。


柔らかい素材やダブルジョイントが、すべての馬にとって優しいとは限りません。


ハミ選びに唯一の正解はありません。


だからこそ見た目や評判だけで決めず、馬の反応を観察することが大切です。


「今のハミで困っていることは何だろう?」


そこから考え始めれば、迷宮の入口でも進む方向が少しずつ見えてきます。


👉 ハミ一覧はこちら