2026/07/29 10:00
乗馬をしていると、
ゼッケンを何枚も持っている人は珍しくありません。
色違いを揃えていたり、
競技用と普段用で使い分けていたり。
プロテクターも複数持っている方が多いと思います。
でも頭絡はどうでしょうか。
意外と、
「ずっと同じ頭絡を使っている」
という方も多いのではないでしょうか。
私自身もそうでした。
頭絡は頭絡。
壊れなければ使うもの。
正直、そのくらいの認識だったと思います。
だから今回紹介するミックレムも、
最初から興味があったわけではありません。
むしろ偶然の出会いでした。
それでも今振り返ると、
あの日ミックレムを使う機会がなければ、
頭絡によってここまで違いが出ることを知ることはなかったかもしれません。
ミックレムとの出会い
私がミックレムを知ったのは部内の試合でした。
出番前に指導員の方が下乗りをしてくださっていたのですが、
その後の出番まであまり時間がありませんでした。
頭絡を付け替える時間もなく、
そのまま競技へ向かうことになりました。
当時は、その頭絡が何なのかも知りません。
ただ、乗っていて妙にしっくりきたのです。
競技後、
「この頭絡、使いやすかったんですけど、どこのブランドですか?」
と聞いたところ、
返ってきた答えが
「ミックレム」
でした。
恥ずかしながら、その時まで私はミックレムという頭絡を知りませんでした。
William Micklemとは誰なのか
ミックレムはブランド名ではありません。
開発者であるWilliam Micklem氏の名前です。
William Micklem氏はアイルランド出身の馬術指導者で、
若馬育成やライダー育成に長年携わってきた人物です。
そして、その経験の中で
「もっと馬が快適にハミを受けられる頭絡は作れないか」
という考えから生まれたのがミックレムです。
頭絡という馬具は長い歴史を持っています。
その中で、ここまで独自の考え方を形にし、今なお世界中で支持され続けている頭絡は決して多くありません。
普通の頭絡と何が違うのか
ミックレムを初めて見た時、
まず気になったのは鼻革でした。
普通の頭絡とは明らかにストラップの配置が違います。
初めて購入した時も、
頭絡そのものの構造は理解できましたが、
ハミ周辺のビットクリップの取り付けは少し戸惑いました。
最初は指導員の方に確認しながら装着したほどです。
ただ、本当に大事なのは見た目ではありません。
私自身、
ミックレムの価値はハミ周辺の考え方にあると思っています。
ミックレム最大の特徴は「馬が逃げにくい」と感じること

私自身、
ミックレムの価値はここにあると思っています。
もちろん、
普通の頭絡が悪いという話ではありません。
実際、多くの馬とライダーは普通の頭絡で問題なく乗っています。
ただ、
馬によってはコンタクトが安定しにくかったり、
ライダーが常に細かな修正を続けなければならなかったりすることがあります。
一方でミックレムは、
ハミが比較的安定しやすい構造になっています。
そのため、
馬がコンタクトから逃げにくくなり、
ライダーの扶助も伝わりやすくなります。
私が最初に感じた
「使いやすい」
という感覚も、
後から考えるとこの部分だったのだと思います。
馬が逃げにくい。
コンタクトが途切れにくい。
だから余計な修正が減る。
結果として、
今までより自然に馬と会話できるようになる。
私はそんな頭絡だと感じています。
そして購入後に言われた一言
その後、実際にミックレムを購入しました。
ところが後日、馬場馬術をやっている方にその話をすると、
返ってきたのが、
「えっ、指導員OK出たの!?」
という言葉でした。
最初は意味が分かりませんでした。
しかし後から調べたり、実際に使っている方の話を聞いたりすると、その反応にも少し納得できました。
ミックレムは単なる高級頭絡ではありません。
人によって評価が大きく分かれる頭絡だからです。
馬には優しい。でもライダーには優しくないかもしれない
ミックレムはよく
「馬に優しい頭絡」
として紹介されることがあります。
私はその説明は間違っていないと思います。
ただ、
それだけでは少し足りません。
ミックレムは馬がコンタクトから逃げにくくなる一方で、
ライダーの扶助もダイレクトに伝わります。
つまり、
良い扶助も伝わる。
悪い扶助も伝わる。
だから、
手が静かでコンタクトを大切にするライダーから高く評価される一方で、
手が忙しい方や、
無意識に手が動いてしまう方の場合、
逆に馬が嫌がることもあると思います。
だからこそ、
合う人には非常に高く評価される一方で、
評価が大きく分かれる頭絡でもあります。
誰にでも合う頭絡ではない
私はミックレムを万能な頭絡だとは思っていません。
例えば、
・コンタクトから逃げる
・ハミを避ける
・受けが安定しない
そんな馬には相性が良い可能性があります。
一方で、
推進不足やバランスの問題を解決してくれる頭絡ではありません。
また、
・軽い扶助で乗りたい
・コンタクトを大切にしたい
・馬との会話を重視したい
そんなライダーには向いていると思います。
逆に、
頭絡で問題を解決したい、
強いコントロールを求めたい、
という目的とは少し違う頭絡です。
それでも私がミックレムを紹介したい理由
ミックレムは魔法の頭絡ではありません。
付ければ上手くなるわけでもありません。
競技成績が突然上がるわけでもありません。
だから誰にでもおすすめできる商品ではないと思っています。
しかし一方で、
合う人にとっては非常に大きな価値を持つ頭絡でもあります。
私が最初に感じたのは、
「強くコントロールできる」
という感覚ではありませんでした。
むしろ、
今までより楽に乗っているように乗れる。
そんな感覚でした。
馬がコンタクトから逃げにくくなり、
小さな扶助が伝わりやすくなる。
結果として、
今まで頑張って維持していたものが自然につながる。
そんな感覚です。
もちろん全ての馬やライダーに当てはまる話ではありません。
実際、ミックレムは評価が大きく分かれる頭絡です。
価格も決して安くありません。
だから、
「とりあえず試してみてください」
とは言えません。
それでも私が紹介したいのは、
合う人にとっては、
馬とのコミュニケーションが大きく変わる可能性があるからです。
私は今でもミックレムを全員におすすめするつもりはありません。
でも、
「頭絡でここまで変わることがある」
ということを教えてくれた頭絡でした。
だからこそ、今でもこの頭絡を紹介したいと思っています。
私が推したいモデル
今回紹介したいのは、
Trense Rambo Micklem Deluxe Competition 2.0 Black
です。
現在は様々なミックレムシリーズがありますが、
私が最初に選ぶならこのモデルです。
ミックレム独特の構造はそのままに、
競技会でも使いやすいシンプルで上品なデザインに仕上がっています。
幅広で柔らかい鼻革や各部のパッドによって馬への快適性にも配慮されており、
ミックレムらしさをしっかり体感できるモデルだと思います。
また、
ビットクリップやビットストラップも付属しており、
ミックレム本来の機能を活かしやすい仕様になっています。
価格だけを見ると決して安い頭絡ではありません。
だからこそ、
「とりあえず買ってみよう」
ではなく、
ミックレムという頭絡の考え方に共感できる方に選んでほしいモデルです。
▶ Trense Rambo Micklem Deluxe Competition 2.0 Blackの詳しい情報はこちら
ちなみに、
意外と知られていませんがブラウンカラーも展開されています。
総合馬術や障害馬術ならブラウンも非常に格好良いと思います。

▶ Trense Rambo Micklem Deluxe Competition 2.0 Brownの詳しい情報はこちら
まとめ
ミックレムは、
誰にでもおすすめできる頭絡ではありません。
でも、
誰かにとっては馬とのコミュニケーションを大きく変えてくれる頭絡かもしれません。
少なくとも私は、
部内の試合で偶然使う機会がなければ、
頭絡によってここまで違いが出ることを知らないままだったと思います。
私にとってミックレムは、
「頭絡なんてどれも同じ」
という考え方を変えてくれた頭絡でした。
そして今でも、
合う人には馬とのコミュニケーションそのものを変えてしまう可能性がある頭絡だと思っています。
だから私は、誰にでもおすすめできないと分かっていても、この頭絡を紹介したいのです。


