2026/05/20 10:00



総合馬術とともに成長してきたブランドが、新たに挑む“ライダー安全”の世界


2006年、イギリスでひとつの乗馬ブランドが立ち上がりました。


そのブランドの名前は LeMieux


今では世界中の乗馬クラブや競技会で見かけるブランドですが、


最初から「総合馬具メーカー」だったわけではありません。


始まりは、羊毛を使ったハーフパッドでした。


創業者の Robert LeMieux は、オリンピックにも出場した総合馬術ライダー。


競技者として活動する中で、


「もっと馬にフィットするものを」


という考えから製品開発を始めたのが、LeMieuxのスタートです。


当時のLeMieuxは、


今のような“カラフルでSNS映えするブランド”というより、


かなり実用品寄りのブランドでした。


そこからLeMieuxは少しずつ成長していきます。


特に大きな転機になったのが、


LeMieuxが強く打ち出していった “Matchy Matchy” スタイル。


ゼッケン、イヤーネット、バンデージ、ライダーウェアを同じカラーで揃えるスタイルです。


今では当たり前に見えるこのスタイルですが、


LeMieuxはその中心にいたブランドのひとつでした。


毎シーズン登場する、


  • Ice Blue

  • Mimosa

  • Blossom

  • Lagoon

などのシーズンカラー。


そして、


「馬と人を一緒にコーディネートする」


という楽しみ方。


特にInstagram時代との相性は抜群でした。


Pony Club世代や若いライダーを中心に、


LeMieuxは一気に広がっていきます。


気付けばLeMieuxは、


  • ゼッケン

  • 馬着

  • 無口

  • プロテクター

  • ライダーウェア

  • グローブ

  • ブーツ

まで揃うブランドになっていました。


でも、最後にひとつだけ、


LeMieuxではないものが残っていました。


“ヘルメット”です。


どれだけLeMieuxでコーディネートしていても、


最後は別ブランドのヘルメットを被る。


そんな状態が長く続いていました。


そして2026年。


LeMieuxはついに、


ブランド初となるヘルメットコレクションを発表します。


ゼッケンやウェアとは違い、


ヘルメットは安全規格や設計責任も求められる、


乗馬用品の中でも特にハードルの高いカテゴリーです。


そのブランド初のヘルメットは、


イギリスで開催された世界最高峰の総合馬術競技会 Badminton Horse Trials 2026 で初公開されました。


これはLeMieuxにとって、


かなりらしいデビューでもありました。


LeMieuxは創業当初から、


総合馬術との結び付きが非常に強いブランドです。


創業者自身がイベンターであり、


現在でもTeam LeMieuxには多くの総合馬術トップライダーが所属しています。


さらにBadmintonでは、


LeMieux Grassroots Championships も開催されています。


つまり今回のヘルメットデビューは、


LeMieuxというブランドの“原点”に戻るような発表でもありました。


今回登場したのは、


Verv と Vexa の2モデル。


特に注目されたのが Verv。


このヘルメット、


ただの新商品ではありません。


かなり“LeMieuxらしい”ヘルメットなんです。



最大の特徴は、


交換式マグネットピーク


ツバ部分を、


  • narrow

  • wide

  • brim

の3種類に交換できます。


さらに、


ヘルメット上部のセンターパネルも交換可能。


つまり、


その日のコーディネートに合わせて


ヘルメットの見た目を変えられる。


今までの乗馬ヘルメットは、


「最初に買ったデザインで終わり」


が普通でした。


でもLeMieuxは、


ヘルメットにも “Matchy Matchy” の世界観を持ち込んできたのです。


とはいえ、


見た目だけを重視した製品ではありません。


LeMieuxは今回、


  • EN1384:2023

  • ASTM F1163-23

  • SEI

  • BSI Kitemark

など、


複数の安全規格に対応。


さらにVervは、


  • iF Design Award 2026

  • Red Dot Award

も受賞しています。


そして今回かなり驚かされたのが、


その価格設定。


近年の乗馬ヘルメット市場では、


高級モデルになるとかなり高額になることも珍しくありません。


そんな中でLeMieuxは、


デザイン性、安全規格、カスタマイズ性をしっかり持たせながら、


かなり現実的な価格帯で参入してきました。


しかも、


交換式パネルやピークまで用意されている。


単純な“安いヘルメット”ではなく、


「高級感や機能性は欲しい。でも現実的な価格で選びたい」


という層にかなり刺さりそうな印象です。


ある意味、


これまでの乗馬ヘルメット市場に対する


“価格破壊”的な存在になる可能性すら感じます。


面白いのは、


LeMieuxのヘルメットって、


すごく今っぽいのに、


ブランドの原点とも繋がっていること。


総合馬術から始まり、


実用品として成長し、


SNS時代の象徴ブランドとなり、


最後にヘルメットへ辿り着いた。


しかもそのデビューの場所が、


Badminton。


ここまでくると、


ただの新商品ではなく、


ブランドの歴史の延長線上にある製品に見えてきます。


LeMieuxは昔、


「ゼッケンブランド」と呼ばれることもありました。


でも今は違います。


総合馬術をルーツに持ちながら、


実用品として成長し、


SNS時代の象徴的ブランドとなり、


ついにヘルメットカテゴリーへ参入しました。


しかも今回のヘルメットは、


ただ安全規格を満たしただけの製品ではありません。


LeMieuxらしい “Matchy Matchy” の世界観、


交換式ピークやパネルといった新しい発想、


そしてこれまでのヘルメット市場を大きく変える可能性すら感じさせるコストパフォーマンス。


かなり“LeMieuxらしい参入”だと感じます。


実際かなり注目度も高く、


今後競技会で見かける機会はかなり増えていきそうです。


LAURO Tackでも、


今後取り扱いできるよう頑張っていきたいと思っています。


個人的には、


ここまで来たらいつか鞍まで作って、


「全部LeMieuxで揃う世界」


まで行ってほしいと思ってしまいます。


実際、今回のヘルメット参入を見ると、


もう何が来ても不思議ではない空気感があります。