2026/04/08 10:00
春から初夏にかけて、
気温が少しずつ上がってきます。
まだ真夏ほどの暑さではありませんが
大きな変化は感じにくい時期です。
しかしこの時期から、
馬の体には負担がかかり始めています。
■ 馬が快適に過ごせる温度
馬には、快適に過ごせる
温度の範囲があります。
一般的には、
-5℃から15℃程度とされています。
この範囲を超えると、
体温調整の負担が増えます。
その結果として、
発汗量も増えていきます。
■ 馬は人よりも汗をかきやすい
馬は体温を下げるために
汗をかきます。
人と比べると、
体重は約6倍といわれています。
ただ、皮膚の表面積は約2.5倍であり
熱が逃げにくい体の構造です。
そのため体温が上がりやすく、
多くの汗をかく必要があります。
■ 汗と一緒に失われるもの
汗で失われるのは、
水分だけではありません。
ナトリウムやカリウム、
カルシウムやマグネシウムなどです。
これらは水分バランスに関わり、
筋肉や神経の働きにも影響します。
■ 電解質は体に貯めておけない

これらの成分は、
体内に蓄えられません。
余分な分は排出されるため、
維持が難しい特徴があります。
そのため汗をかくたびに、
バランスが崩れやすくなります。
■ 汗以外でも失われる
電解質は汗だけでなく、
尿や下痢でも失われます。
そのため見た目に汗が少なくても、
体内のバランスが崩れることがあります。
■ この時期に起きやすい変化
動きがなんとなく重くなる、
反応が鈍くなることがあります。
回復に時間がかかる場合もあり、
負担が表に出にくい時期です。
これらは暑さだけでなく、
体内バランスの影響も考えられます。
■ 日本の気候はさらに注意が必要
日本は湿度が高く、
気温が急に上がる特徴があります。
そのため馬が慣れる前に、
発汗量が増えやすい環境です。
結果として体への負担が、
大きくなりやすくなります。
■ ヨーロッパでの一般的な管理
ヨーロッパでは発汗による消耗に対して、
電解質サプリメントを使用することが一般的です。
特に競技馬やトレーニング馬では、
日常的な管理として取り入れられています。
■ 電解質サプリの中身
電解質サプリメントには、
ナトリウムやカリウムが含まれます。
さらにカルシウムやマグネシウムも含まれ、
バランスよく補給できるようになっています。
■ 補給のタイミング
電解質は体に蓄えられないため、
タイミングが重要になります。
一般的には運動の前後や発汗後に
補給することが基本です。
十分な水と一緒に与えることが、
重要とされています。
■ 日本の乗馬クラブで多い対応
日本の乗馬クラブでは、
飼料に塩を加える方法が一般的です。
塩にはナトリウムや塩素が含まれ、
基本的な補給として有効です。
■ 塩だけでは補えないものもある
汗で失われる成分は複数あります。
ナトリウムや塩素だけでなく、
カリウムやカルシウムも含まれます。
さらにマグネシウムも失われるため、
体のバランスに影響します。
これらは水分バランスに関わり、
筋肉や神経の働きにも重要です。
そのため塩だけでは、
すべてを補うことはできません。
■ 輸送でも負担はかかる
馬にとって輸送は、
見た目以上に負担がかかります。
一般的には1時間の輸送は、
1時間の運動に相当するといわれています。
そのため輸送後は、
発汗や消耗にも注意が必要です。
■ スポーツ飲料は使ってもいい?
水にスポーツ飲料を混ぜて与える方法は、
基本的にはおすすめできません。
■ なぜ使われることがあるのか
電解質の補給になりそう、
エネルギー補給になると思われています。
飲みやすくなると考えられている、
といった理由があります。
■ 問題点① 成分バランス
人用のスポーツ飲料は糖分が多く、
ナトリウムが中心の構成です。
カリウムやマグネシウムが少なく、
馬には適したバランスではありません。
■ 問題点② 糖分
糖分が多いため、
血糖値が変化しやすくなります。
腸内環境への影響も
考えられます。
■ 問題点③ 飲水量の低下
味に慣れてしまうと、
水を飲まなくなることがあります。
これは水分不足につながるため、
注意が必要です。
■ 問題点④ 本来の目的
水分補給で最も大切なのは、
水をしっかり飲むことです。
味付きの水によって、
飲水量が落ちることもあります。
■ 条件付きでの使用
水を飲まない場合に限り、
一時的に少量使う方法は考えられます。
ただし補助的な使い方に
とどめる必要があります。
■ レッスン後のケア
運動後はしっかりと、
クールダウンを行います。
呼吸が落ち着くまで歩かせ、
体温を下げることが重要です。
急に運動を終えると、
回復が遅れる原因になります。
■ 水を飲めているか確認する
水をしっかり飲めているかは、
とても重要なポイントです。
運動後に水を飲まない場合は、
注意が必要です。
水分が不足すると、
回復が遅れる原因になります。
■ レッスンで意識したいこと
馬の汗の量を確認する、
いつもとの違いに気づくことが重要です。
無理に運動量を増やさない
といった意識が必要です。
■ まとめ
暖かくなるこの時期は、
見えにくい変化が起こります。
汗や回復の状態を観察することで、
無理のない管理につながります。

