2026/03/16 10:00


腹帯を自分で選んだことはありますか?


鞍を購入したときに、


「腹帯も必要ですよ」


と言われて、


そのまま一緒に購入した。


そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。


実際、日本の乗馬では


  • 鞍を買ったときに一緒に購入した


  • サイズを勧められてそのまま選んだ


というケースも少なくありません。


しかし腹帯は、


ただ鞍を固定するためのベルトではありません。


馬の体型や腹帯の位置によって、


  • 鞍の安定


  • 馬の動きやすさ


  • 擦れやトラブルの予防


などにも関わる、とても重要な馬具です。


この記事では、腹帯を選ぶときに知っておきたい


  • 腹帯の位置(ガースグルーブ)


  • サイズの選び方


  • 腹帯の種類


について解説していきます。




ガースグルーブ(腹帯の自然な位置)


馬にはそれぞれ、腹帯が自然に収まる位置があります。


これをガースグルーブ(Girth groove)と呼びます。


この位置は、肋骨の中で一番細くなっている部分です。


横から見ると、肋骨が少し上がったり下がったりする位置で確認できます。


多くの馬では肘から約10cm後ろにあります。


日本の乗馬では「肘から指4本分くらい後ろ」と説明されることもあります。


ただしこれはあくまで目安で、実際には馬によって


  • 肘のすぐ後ろ


  • もう少し後ろ


など位置が異なります。


また日本の乗馬クラブでは、腹帯がガースグルーブより


やや前の位置で締められているケース


も見られます。


そのためこの記事では、腹帯が本来どこに来るのかを意識しながら


読み進めてもらえると理解しやすいと思います。





実際にこんなことがありました


以前、ガースグルーブに合わせて腹帯を締めていたところ、


「ちょっと後ろすぎない?」


と声をかけられたことがありました。


乗馬クラブでは腹帯が少し前寄りに見えることもあるため、


そう感じたのかもしれません。


そのときは近くにいた指導員が


「その位置で合っていますよ」と言ってくれて、


事なきを得ました。


腹帯の位置は見た目だけで判断するのが難しく、


馬ごとのガースグルーブを理解することが大切だと感じた出来事でした。




正しい腹帯サイズの選び方


自分にとっても馬にとっても、


腹帯を締めるときに最初の穴から無理に引っ張る必要がない状態が理想です。


総合鞍や障害鞍の場合は、腹帯を締めたときに


左右の託革(たっかく)の真ん中あたりの穴


でバックルが留まるくらいが目安です。


馬場鞍では短腹帯を使用するため、少し基準が変わります。


腹帯のバックルは肘より手のひら1つ分くらい上


に来るのが理想です。


もし腹帯が短すぎると、バックルが馬の肩の動きを妨げてしまうことがあります。


馬の肩は歩様の中で後ろ方向に大きく動くため、バックルが当たることで


  • 動きが制限される


  • 擦れや傷ができる


可能性があります。




腹帯のサイズを測る方法



新しい腹帯を選ぶときは、次の方法で測ることができます。


まず鞍を正しい位置に置きます。


次に、腹帯のバックルが肘より上に来る位置を確認します。


肘の位置は肘の先に手のひらを当てることで目安が分かります。


その位置から、メジャーで


  • 馬のお腹の下


  • 反対側の託革


までの長さを測ります。


これが腹帯サイズの目安になります。


重要なのは、バックルが肘から十分離れていることです。


そうすることで、馬が自由に動くことができます。




種目ごとの腹帯


馬場腹帯


馬場腹帯は最も短いタイプの腹帯です。


腹帯は、前肢の後ろの脇の位置で託革に接続されます。


そのため腹帯は、馬場ゼッケンの下には来ません。


▶ 馬場用腹帯を見る




障害腹帯


障害鞍は馬場鞍よりもフラップが短く、託革の位置が高くなります。


そのため、使用する腹帯は長いタイプになります。


腹帯はゼッケンの下に位置します。


▶ 障害用腹帯を見る




スタッドガース(Stud girth)


多くの障害用腹帯には腹当て(ベリーフラップ)が付いています。


これをスタッドガース(Stud girth)と呼びます。


「スタッド」とは蹄鉄に取り付ける小さなスパイクのような突起です。


芝や柔らかい地面で滑りにくくするために使用されます。


ジャンプの際には前肢が腹の近くまで上がるため、


蹄鉄やスタッドが腹に当たる可能性があります。


スタッドガースの腹当ては、そうした接触から


馬のお腹を守るためのプロテクターの役割を持っています。


実際の使い分けとしては、


脚の上げ方や馬のタイプにもよりますが、


120cmクラスあたりから使う馬が出てきて、


130cmクラスになると装着している馬も多い


という印象があります。




腹帯の形状


腹帯には、さまざまな形状や素材があります。


これは見た目の違いだけではなく、


  • 馬の体型


  • ガースグルーブの位置


  • 腹帯がずれやすいかどうか


などによって、適したタイプが変わることがあります。


同じ腹帯でも馬によって合う形が違うため、


形状の違いを理解して選ぶことが大切です。


ここでは代表的な腹帯の形状を紹介します。




アナトミカル腹帯


肘の部分がカットされた形で、肘周りに余裕を持たせています。


中央部分が広くなっているものも多く、圧力を広い範囲に分散します。





非対称腹帯


前側が大きくカットされた形で、


肘の動きを妨げにくい構造になっています。


クレセント(バナナ)腹帯


丸い体型の馬に向いています。


腹の膨らみに沿う形になっているため、


  • 圧力が均等に分散


  • 腹帯が前にずれにくい


  • 鞍が安定しやすい


という特徴があります。





アスレチック腹帯


運動能力の高い体型の馬に向いています。


腹の膨らみに沿う形で、圧力を分散しながら鞍や腹帯が後ろにずれるのを防ぎます。





ストレート腹帯


一般的な形の腹帯です。


腹帯周りに特に問題がない馬に適しています。





腹帯の素材


ネオプレン


柔らかく柔軟な素材で、敏感な馬にも使いやすいです。


掃除もしやすいですが、通気性はあまり良くありません。



レザー


耐久性があり、馬の体に馴染みやすい素材です。


ただし汗に弱いため、定期的な手入れが必要です。



ナイロン


非常に丈夫でメンテナンスが簡単です。


ただし敏感な馬では擦れが起きる場合があります。



メモリーフォーム


馬の体型に合わせて形が変わる素材で、圧力を軽減する効果があります。




ファー付き腹帯


敏感な馬には、ファー付き腹帯もあります。


  • 擦れ防止


  • 圧力軽減


に効果があります。


ファーは


  • 取り外せるカバータイプ


  • 固定タイプ


の2種類があります。




日本の乗馬では腹帯選びも少し事情が違います


腹帯には


  • 形状


  • 素材


  • 長さ


などさまざまな種類があります。


海外では、自分の馬に合わせて腹帯を選ぶ


というケースが多く見られます。


一方、日本の乗馬では


  • クラブの馬(会有馬)に乗る


  • さまざまな馬に乗る機会があるという環境がよくあります。


そのため腹帯を選ぶときは、


いろいろな馬でも使いやすい形状や素材を選ぶという考え方もあります。


また、日本の乗馬クラブではサラブレッド系の馬が多いため、


一般的な目安としては


  • 馬場用短腹帯:60〜70cm前後


  • 障害用長腹帯:120〜130cm前後


が使われることが多い印象です。


もちろん鞍の形や馬体によって変わるため、


実際にはサイズを確認して選ぶことが大切です。


腹帯の基本を理解しておくことで、


どの馬に乗るときにも役立つ知識になります。




まとめ:腹帯は目立たないけれど、とても大事な馬具


腹帯は、見た目はとてもシンプルな馬具ですが、


  • 鞍の安定


  • 馬の動きやすさ


  • 擦れやトラブルの予防


などに関わる、とても重要な役割を持っています。


腹帯を選ぶときは


  • ガースグルーブの位置


  • 腹帯のサイズ


  • 形状や素材


を意識することで、馬にとっても快適な装備になります。


日本の乗馬ではさまざまな馬に乗る機会も多いため、


腹帯の基本を理解しておくと


どの馬に乗るときにも役立ちます。


腹帯は目立たない馬具ですが、


乗馬の快適さや安全性を支える大切な装備です。


ぜひ一度、見直してみてください。


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