2026/01/31 10:00

部内競技というのは、同じ乗馬クラブの会員同士で行われる、クラブ内の競技のことです。
外の大会とは違って、いつもの場所、いつもの指導員、場合によってはいつもの馬で参加します。
乗馬を続けていると、ある日ふいに、こんなふうに声をかけられることがあります。
「次の部内競技、どう?」
部内競技という名前は前から知っているし、レッスンプログラムにも載っている。
競技の日の雰囲気を、なんとなく見たこともある。
でも、いざ自分が誘われる立場になると、急に答えにくくなる。
出たほうがいいのかな。出ないとダメなのかな。そもそも、なんのために出るんだろう。
競技の話って、実は「部内」と「部外」で、感じる距離や迷い方がまったく違います。
そこで今回は、まず「部内競技」について。
誘われたときに感じやすいモヤモヤや、ハードルに思えるポイントを
できるだけ正直に整理してみます。
🤔 そもそも、部内競技って何のためにあるの?
正直に言うと、ここがいちばん分かりにくいところですよね。
勝ちたいわけでもないし、外の大会を目指しているわけでもない。それなのに、なぜか勧められる。
「これって、クラブの金もうけのため?」
そんなふうに思ったことがある人も、きっと少なくないと思います。
結論から言うとお金だけが目的だったら、部内競技って正直あまり割に合いません。
準備は大変だし、当日はバタバタするし、指導員もずっと拘束される。
それでも続いているのは、会員さんにとってちゃんと意味を持つ場になることが多いからです。
🌀 レッスンが、だんだん「見慣れてくる」時期

乗馬を始めたばかりの頃は、毎回のレッスンが楽しくて新鮮でできることが増えるのも分かりやすいですよね。
クラスが上がったり、内容が変わったり、「前よりできるようになった」がはっきり感じられる。
でも、しばらく続けていると、レッスンの内容にだんだん慣れてくる時期があります。
同じような動き、同じような注意。
できていないわけじゃない。むしろ前より安定している。
でも前ほど「今日はこれができた」という実感が持ちにくくなる。
これは、サボっているからでも、向いていないからでもありません。
ただ、成長が見えにくくなる時期に入っているだけ。
部内競技の話が出てくるのは、ちょうどこんなタイミングだったりします。
🧩 部内競技に感じやすい、ふたつのハードル

部内競技に対して、多くの人が立ち止まってしまう理由は、だいたいこのあたりに集まります。
👕 なんだか、また色々揃えないといけなさそう
普段着ライダーから、やっと「普通の乗馬ウエアの人」になったところ。
なのに、部内競技の日を見ると、白いキュロット、きれいなジャケット
いかにも競技っぽい装いの人たちが目に入る。
「え、また次の段階?」
「今の自分には、まだ早い気がする」
そう感じてしまうのも、すごく自然なことです。
でもこれって実際に必要なものというより、
慣れている人の完成形を見てしまうからそう思えることがほとんど。
最初から、あの格好が求められているわけではありません。
ただ、そのラインが分かりにくい。それだけなんですよね。
❓ そもそも、出る意味がよく分からない
「出て、何が変わるの?」
「別に競技に出るために始めたわけじゃないし」
意味が分からないまま誘われると、余計に答えにくくなります。
部内競技は、上手くなるための試練というより、
いつもの練習を少し違う角度から見てみるための場。
でも、それが今の自分に必要かどうかは、人それぞれです。
✨ できることと、できないことをあらためて知る

部内競技の良さは、もうひとつあります。
それは、できることと、まだできないことをあらためて知れること。
いつものレッスンだと、なんとなく流れてしまう部分も、
競技という形になると思っていたよりできていたり、逆に課題がはっきり見えたりします。
しかも不思議なことに、同じ馬で、同じ科目や同じ高さでも、毎回まったく同じ結果にはなりません。
馬の状態も、自分の気持ちも、その日の空気も少しずつ違う。
だからこそ、
「前と同じことをしているはずなのに、今日はこんな感じなんだ」
という発見があって、それが意外と新鮮だったりします。
部内競技は、成績を比べる場というより、
「乗馬って、毎回同じじゃないんだな」と感じるための場でもあるのかもしれません。
🏇 馬場と障害、それぞれのメリット
部内競技のいちばん大きなメリットは、上手くなることそのものより
レッスンが「点」じゃなく「線」になること。
目標が言葉になったり、自分の現在地が分かったりします。
🎯 馬場の場合
点数を取りに行く場というより、自分の乗り方を一度ちゃんと他の人(審判)に見てもらう場。
図形を意識するようになったり、「できているつもり」とのズレに気づいたり。
比べられるためじゃなく、整理するための競技です。
🪜 障害の場合
高く跳ぶためのものではありません。
コースを考えて乗ること、緊張感の中で判断すること、最後まで乗る意識を持つこと。
怖さを感じるのも、全然おかしくありません。
部内競技は、度胸試しじゃなく、普段の練習の延長です。
👀 競技に出ている人が、遠く見える理由
部内競技に出ている人たちって、なんとなくベテランの集まりに見えることがあります。
顔ぶれも決まっていて、会話も専門的。
でもそれは、実力の差というより、立っている場所が少し違うだけ。
競技に出ている人たちも、最初は同じところで迷っていました。
🪑 出るか迷ったら、見学という参加方法もある
部内競技は、出るか出ないかの二択じゃありません。
とりあえず見学する。それも、ちゃんとした参加のしかたです。
思ったより普通だったり、装備の本当のラインが分かったり、
壁だと思っていたものが段差くらいに見えたり。
見てから決めていいんです。
🔁 一回出たからって、続けなくていい
一度出たら、次も出る前提になるんじゃないか。
そんな不安を持つ人も多いですが、実際は一回だけ出る人、
数年に一回の人、合わなくてやめる人、普通にいます。
初回は、買わずに借りるという選択肢もあります。
最初から、続ける前提で準備しなくて大丈夫。
💫 大人になっても、「かっこいいから」でいい
部内競技に出る理由は、そんなに立派じゃなくていい。
きれいに乗りたい、一度でいいから飛んでみたい、大人になってもかっこよくありたい。
それだけでも十分です。
➡️ さいごに
部内競技は、義務でも、通過儀礼でもありません。
出る人もいれば、出ない人もいる。
見学する人もいれば、一度だけ出る人もいる。どれも、ちゃんとした選択です。
ただ、部内競技について考えていると、こんな疑問が浮かんでくる人も多いのではないでしょうか。
「じゃあ、部外の競技って、どうなんだろう?」
次は、部外競技について。
なぜあんなに遠く感じるのか。本当のハードルは何なのか。
出る・出ないをどう考えればいいのか。
そんな話を、またゆっくり書いてみようと思います。
