2025/04/17 07:59
2025年は、馬術競技において大きな変化が見られる年となりました。
今年のルール改正は、馬の福祉向上や競技の公平性を重視した内容が多く、競技者や関係者にとって新たな挑戦が求められます。
ここでは、馬場馬術、障害馬術、総合馬術の改正内容を昨年までとの比較を交えながらご紹介します。
改正の主なポイント
馬場馬術
服装規定の変更
暑い天候での競技では、襟付きのシャツを着用すればジャケットなしでの騎乗が許可されるようになりました。これにより、競技者の快適性が向上しました。鼻革の締め付け規定
鼻革と鼻梁の間の締め付け具合をテーパーゲージで測定することが推奨され、科学的なアプローチで馬の福祉が強化されました。2026年には義務化される予定です。
障害馬術
コースデザイナー資格の更新
資格更新には講習会の受講や実務研修が必要となり、新たに3級資格が導入されました。障害物設置基準の明確化
水濠障害やダブル障害などの設置基準が厳密化され、安全性と公平性がさらに高まりました。
総合馬術
早着減点ルールの導入
クロスカントリー競技で規定タイムより20秒以上早着した場合、1秒ごとに0.4点の減点が課されるようになりました。安全装備の規定強化
ボディプロテクターやヘルメットの基準が厳格化され、2026年には新規格が義務化される予定です。
注目ポイント
鼻革の締め付け規定
鼻革規定の改正は、馬の福祉を直接的に改善する取り組みです。これまで慣習的に行われてきた緩やかな確認から、テーパーゲージを使用した科学的な測定へと進化しています。この変更は、馬のストレスを軽減し、国際基準に適応するための重要なステップと言えます。
早着減点ルール
早着減点ルールは、馬への負担軽減と公平性を目的とした改正です。しかし現場では、20秒以上の早着が起きること自体が稀であるため、この改正の実感は薄いかもしれません。もし規定タイムが頻繁に早着を招く場合は、その設定自体を見直す必要がある可能性もあります。
海外との比較
鼻革規定
ヨーロッパでは国際馬術連盟(FEI)の基準で指2本分の余裕が求められており、既に科学的な測定手法が広く浸透しています。日本でも同様の動きが始まりましたが、義務化は2026年からです。
早着減点ルール
ヨーロッパやアメリカでは、既にこのルールが導入されており、競技者はペース配分に気を使った戦略を練ることが重要視されています。一方、日本では今年導入されたばかりであり、今後の運用状況が注目されます。
まとめ
2025年のルール改正は、馬の福祉向上と競技の公平性を目指したものであり、競技者や関係者にとって新しい取り組みの契機となる年です。
特に、鼻革の締め付け規定は現場に与える影響が大きく、日常の実務に変化をもたらしています。一方で、早着減点ルールは特殊な状況に対応した内容であり、現場での影響が限定的と感じられるかもしれません。
これらの改正が今後の競技にどのように作用し、どのような変化をもたらすのか。引き続き現場の声に耳を傾けながら注目していきたいですね。