2024/09/08 00:00

乗馬用品・馬具専門ショップ「LAURO Tack(ラウロタック)」です。


「プロテクター」と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのは、馬に乗る際に騎手が身に着けるボディプロテクターかもしれません。しかし、今回は馬が運動中にケガを予防するために馬の脚に取り付けるプロテクターに焦点を当ててみたいと思います。

脚を保護する道具といっても大まかに「プロテクター」と「肢巻き」に分類され、その中でも細分化されていきます。【前編】では「プロテクター」について詳しく書いてきます。

プロテクターには様々な種類が存在し、主に「障害飛越用」や「馬場・フラットワーク用」に区分されます。大雑把に見分ける方法として、前面が開いているかどうかを確認することができます。前面が開いているものは「オープンフロント」と呼ばれ、馬が障害物を飛び越えた際に脚がバーに触れたかどうかを、馬が気付きやすくなり、注意力が高まる役割を果たします。

また、プロテクターの区分けには、素材に基づいた方法もあります。「ネオプレーン」、「レザー」、「ハードシェル」などがあり、それぞれにフリースやファーが内部に組み込まれたものも存在します。

ネオプレーンはダイビングスーツに使用される耐久性の高い素材で、丈夫さが魅力です。さらに、汚れても簡単に洗浄できるため、人気があります。

フリースやファーを使用したプロテクターは皮膚が敏感な馬に適しており、レザーやフリース内装の製品は馬場が十分に乾燥している場合や競技用に適しています。ただし、ファーの製品は専用の洗剤を使用しないとフワフワ感が失われることがあるため、注意が必要です。

プロテクターの留め具もさまざまで、最も一般的なのはベルクロタイプです。その他にも、留め具で留めるタイプやバックル式、折り返しベルトタイプ、ラチェット式などが存在します。

ただし、バックル式を含むいくつかの留め金は、最近の競技規則の改正により使用が制限されており、使用機会が減少しています。これは、予測できない事態が発生した場合、外れないものは大規模な事故につながる可能性があるためです。ここ数年は、馬のウェルフェアが最優先される観点から、さまざまな規則改正が行われています。

プロテクターを使用する際に重要なのは、適切な装着強度を維持すること、運動やレッスンの後はできるだけ早く取り外すこと、そしてプロテクターを清潔に保つことです。これらを守らないと、本来の保護機能が損なわれ、逆にケガや皮膚トラブルの原因となる可能性があるため注意が必要です。


次回【後編】では「肢巻き」についてご説明します。