2023/08/02 10:30

乗馬用品・馬具専門ショップ「LAURO Tack(ラウロタック)」です。
今週末から「ジュニ選」(正式名称:全日本ジュニア障害馬術大会)ということで、競技のお話をしていますが、今回は「障害競技」の中の標準競技について。


● 標準競技

標準競技は、障害馬術の中で最もスタンダードな競技として知られています。一般的に「基準A(Table A)」とも称され、競技者たちのテクニックと協力した馬の力強いジャンプが観客を魅了します。

1. 基準A(Table A)形式で競技が行われる

標準競技は、「基準A」とも呼ばれる競技形式で行われます。競技者は馬場に設置された障害物を決められた順番で飛び越えていきます。競技の目的は、正確に障害物をクリアしつつ、できるだけ速くゴールすることです。タイムを競うため、迅速で確実な走行が求められます。

2. クリアとペナルティに注意!
標準競技では、障害物のクリア(バーを落とさずに跳び越えること)が最も重要です。ライダーがバーを落としてしまうとペナルティが発生します。バーの落下による減点は1回につき減点4です。また、障害物を飛越せずに崩してしまうと6秒のペナルティタイムが加算されます。競技者は慎重に障害物をクリアし、ペナルティを避ける技術が求められます。

そのほかにはこんなペナルティがあります。
●障害を飛ぶことを馬が拒否(反抗)した場合、一度目は減点4二度目は失権。
●落馬した場合は問答無用で失権。 障害と障害の間で45秒以上が経った場合、失権。
●障害の飛ぶ順番と向きを間違えた場合、失権。
●規定のタイムが決まっており、そのタイムを超えた場合はタイム減点。

3. まずは減点を少なく!その次にタイムが重要な順位付け
標準競技では減点が少ない人馬が上位となり、最小減点が複数いる場合には、その中で最もタイムの早い人馬が優勝するという方法と、ジャンプオフと呼ばれる優勝決定戦を行う方法があります。

4. ジャンプ・オフという優勝決定戦が行われる場合も
競技終了後、複数の競技者が最少減点で並んだ場合は、ジャンプ・オフという優勝決定戦が行われることがあります。ジャンプ・オフは、特定の障害物を飛び越える追加のコースで行われ、最速かつ正確にジャンプする競技者が優勝となります。ジャンプオフはスピード勝負になるため、かなり小回りをして果敢に攻める選手の様子が見られ、見ている側もとても盛り上がります!


【例】標準競技でAさん、Bさん、Cさんが走行した。

競技者A ---------
タイム:50.25秒
ペナルティ:バーを1本落とす(減点4)
成績:減点4、タイム50.25秒
競技者B ---------
タイム:48.90秒
ペナルティ:バーを1本落とす(減点4)
成績:減点4、タイム48.90秒
競技者C ---------
タイム:52.00秒
ペナルティ:なし(クリアラウンド)
成績:減点0、タイム52.00秒

この場合、タイムはBさんが1位、Aさんが2位、Cさんが3位です。AさんとBさんはそれぞれ減点が4点、Cさんは全ての障害物をクリアしたので、標準競技ではCさんが減点0で優勝になります。AさんとBさんは減点4で並んでますが走行タイムがBさんの方が速いのでBさんが2位となります。


標準競技は、スピードと正確性のバランスが勝敗を左右する馬術競技です。競技者と馬の協力と技術が融合し、美しい走りが生まれる瞬間は、観客にとっても感動的な体験となります!