🐎 無口(ホルター)選びの基礎
—— 馬に合う・扱いやすい・長く使える一本の見つけ方 ——
乗馬を続けていると、クラブの無口に“違和感”を覚える場面が増えてきます。
硬い、古い、色褪せている、金具が緩い…。
そして実は、開き気味のナスカンや固まったバックルは安全面でも不安が大きいもの。
無口は“ただの首輪”ではなく、馬と人が最初に触れ合う、とても重要な馬具。
作り・素材・サイズが合うだけで、扱いやすさも安全性も大きく変わります。
無口は種類がとても豊富。選んでいるだけで楽しくなる
騎乗時に使う馬具とは違い、無口には厳しい決まりごとがありません。
その分、とにかくバリエーションが多いのが魅力。
・ナイロン
・フリース付き
・クッション入り
・革・合皮
・シンプル〜可愛い系・スポーティ系まで色々
ヨーロッパならではの華やかなカラー展開“好き”をそのまま形にしやすい馬具で、
見ているだけでテンションが上がる人も多いはずです。
素材で変わる、つけ心地と扱いやすさ
ナイロンは丈夫で扱いやすく、厚みがある方が柔らかい。
フリース付きは敏感な馬でも快適で、クッション入りは衝撃吸収力が高く、扱いやすさもアップ。
革や合皮は見た目が美しく、短時間の馬装・馬場入りに最適です。
素材ごとの特徴を知ると、選ぶポイントがぐっと分かりやすくなります。
ふわふわの“ファー付き”無口も人気です
見た目が可愛くて、つけた瞬間に優しい雰囲気になるのがファー付きの無口の魅力です。
ふわっとした質感が馬の顔当たりをやわらげてくれるので、敏感な子・細い顔の子・摩擦に弱い子にも向いています。
フリースよりもクッション性が高く、鼻帯や頬の締め付けを感じにくいため、毎日の支度がちょっと穏やかになるタイプ。
「この子に絶対似合う」と思える一本が見つかりやすく、写真映えも抜群なので、初めての無口として選ぶ人もとても多いです。
サイズ選びのポイントは「顔の長さ × 横幅 × 調整幅」
Cob=中型、Full=大型というイメージはありますが、実際は馬の顔の“長さと細さ”の組み合わせで大きく変わります。
そして日本の乗馬クラブで特に知ってほしいのが、「サラブレッド=Cob」とは限らないという事実。
実は“サラはCob”が当てはまらない理由
サラブレッドは、
・顔が細い
・顔が長い
・鼻の位置が低い
という独特のバランスを持っています。
そのため Cob だと鼻帯が高くズレたり、耳後ろが押されたり、全体の見た目が詰まって見えることも。
かといって Full だと横幅が余りやすい。
ブランドによっては“細身のFull”がサラにちょうど良いというケースは本当に多いです。
ここは初心者が最も知らない盲点で、知っておくだけでサイズの失敗が一気に減ります。
日本では“調整幅が広いモデル”がとても使いやすい
日本のクラブでは、ひとつの無口を複数の馬に使うことがほとんどです。
・今日の馬は細い
・明日はがっしりしている
・週末は違う調教馬
こうした状況では、調整穴が多い・鼻と頭の両方をしっかり調整できる無口が使いやすく、最も活躍します。
“Cob〜Fullのちょうど真ん中”ぐらいの作りが、実際の現場では万能です。
金具の質は、安全性の核心部分
初心者が見落としがちなのが金具の質。
・開き気味のナスカン
・動きの悪いバックル
・薄くて歪みやすい金具
こうした小さな劣化が、引き手が外れたり、馬が急に動いた時の事故につながることもあります。
クラブ備品の無口が不安に感じる理由の半分は、実は金具部分です。
色選びは自由。似合わせのコツだけ知ればOK
色は本当に自由でOKです。
ただ、似合う色を知っておくと選ぶ楽しさがさらに増えます。
・鹿毛 → ネイビー・フォレスト
・黒鹿毛 → ブラック・グレー
・栗毛 → ロイヤルブルー・深緑
・芦毛 → ベージュ・くすみカラー
ラウロタックはヨーロッパカラーが多く、他では出会わない色が揃っているため、
選ぶ楽しさが大きいカテゴリーでもあります。
引き手(リードロープ)を合わせると完成度が一気に上がる
無口は引き手とセットで使うことが多いので、色・金具・トーンを揃えるだけで統一感が出てとてもキレイ。
“無口と引き手のセット選び”は、初心者でもすぐできるコーディネート術です。
■ まとめ
無口は、選択肢が多い → 好みを反映しやすい → 馬に優しい作りも選べる
という、初心者にとって最初に“個性が出せる馬具”。
日本特有のサラのサイズ問題 と 調整幅の重要性 を知っておけば、一本を選ぶ際の失敗はほとんどありません。
あなたの馬に似合う一本を、ぜひゆっくり選んでみてください。
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